建築家と一緒に個性的な家づくりがしたいと考えるような人の中にも、いろいろと忙しくて、なかなか時間や労力を割くことができないという人がいます。そうした人たちに向けて、近年、デザイン性が高く、オリジナリティのある分譲住宅が増えてきました。そうした住宅が増えてきた背景には、従来の型にはまった住宅に飽き足らない人が増えてきたということがあります。分譲住宅にも個性的なものが求められる時代になってきたと言っていいでしょう。

そして、そのような流れを受けて、設計にデザイン力のある建築家を起用した建売住宅や分譲マンションなどが急速に増えてきています。現在のところは、そうしたものすべてが優れた住宅であるとは言えない状況ではありますが、いずれ、こうしたレディメイドの住宅であっても、建築家による優れたデザインがほどこされているのが当たり前ということになるかもしれません。そもそも考えてみれば、洋服にしろ、アクセサリーにしろ、自動車にしろ、オーダーメイドでなければ、デザインのいいものが手に入らないというようなものは、他にはありません。どれもレディメイド品であっても、すぐれたデザインのものがたくさんあります。

そうしたものと同じように住宅でも、デザイン性の高いものが欲しいと考えた場合に、レディメイドの分譲住宅が十分に希望にかなうものになってほしいと考えるのは、当然の要求と言っていいでしょう。今後、こうした動向が進むにつれて、より幅広い選択肢の中から、住宅を選ぶことができるようになってくるはずです。